春の雪

 ネカフェに到着。
どうもケータイからアップするのは苦手です。

新しい生活が本格的にスタートしました。
原付の運転にも慣れてまいりました。
学校の雰囲気にも慣れてまいりました。
買い物だとか、カード式のキーなんかにも慣れてまいりました。

友達も出来ました。
基礎系の学生は私を含めたったの６人で、その少なさがかえって良い。
学部時代のように妙に気構えることなく、気楽に肩の力を抜いてやれてるかも。
さすがに最初の一週間はとてもきつくて、疲れたし、情緒不安定にもなりました。
だけど、温かい人たちや、優しい先生に囲まれて、ずいぶん落ち着きました。
先生には、ひとつひとつ、不安要素を消化していただいて。
拾っていただいた御恩も含め、絶対にがっかりさせたくないと思う。

ここに来たのは場違いのようで、周りのみんなが天才に見えた。
だけど、みんなそれぞれに不安があって、みんな同じスタートなんだって。
そう思えた。
今日は、初めてのゼミ。

自分が、臨床ではなく、基礎をやっていくんだなーという実感が日々確固たるものに。
だけど、ドクターの先輩のプレゼンを聞きながら、楽しくておもしろくて。

授業では、まるで珍獣を見るかのような目でみられるのです。いい意味で。
よく、認知をやろうと思ったねって。

たった一人だけど、あまり心細くはないのです。
既に私はいろんな先生から顔と名前を覚えられて、友達も出来ました。
一人だからって、いろんな人が親切に声をかけてくださるから。
この大学に来て、本当に良かった。
自分の判断はまったく間違っていなかったと、心から実感しています。

女の子が基礎系の大学院にくるっていうのは
相当の覚悟がないと出来ないから、すごいですよ。
って、先生は言っていたらしい。
私はあんまり何も考えていないけど、後悔もしていない。
だって、それだからといって他は思い当たらないんだもの。
案外迷いなく、この道を選んだんだもの。

変われそうな気がするのです。
ここに自分の居場所を見つけられそうな気がする。
それができれば、どこに行っても大丈夫な自分になれそうな気がするのです。

研究生として、他大学の薬学部の助教授の先生が参加しています。
一応、同期ということになるので、今日は一緒にお茶しました。
二人で今日の発表の内容を復習して、あれやこれやと話しました。
10歳近く年上とは思えないほどに話が盛り上がって
とても魅力的な女の人でした。
驚くことに、出身大学が同じで、学部が違うからまったく面識もないんだけど
世間はやはり、狭い。

ここにきて、学部時代に学んだことやみんなで一緒に勉強をしたことが
確実に力になっていることを、ようやく認識するようにうなりました。
こちらの英才教育の皆さんと引けをとらないくらい、頭に入ってる。
あんなに卑屈になっていた自分が馬鹿みたい。

アパートの部屋から見えたのは、雪のように舞う桜でした。
ベランダから手が届きそうな２対の桜の木から、たっくさん舞い散って
私の中の春も、そろそろ終わるのだなぁと思った。

早く夏になれ。
私はきっと今より輝いているはず。